第444回定例県議会提案理由説明要旨
令和8年9月3日 第444回 定例県議会
知事提案理由説明要旨
福 井 県
第444回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和8年度9月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
はじめに、先月27日からの北陸地方を中心とした大雨について申し上げます。
勝山市内において、24時間雨量が観測史上最大となる350ミリに達するなど、県内各地で記録的な降雨となりました。河川の氾濫や土砂崩れが発生し、200棟を超える住家が床上・床下浸水となるなど、多くの家屋や道路、農地などに被害が生じました。被災されたみなさまに心からお見舞いを申し上げます。また、富山県、石川県でも甚大な被害が発生しており、あわせて心よりお見舞いを申し上げます。
県では、災害対策本部をすみやかに設置し、市町や関係機関と連携しながら、県民のみなさまへの情報提供や被害状況の把握に努めるなど、初動対応に万全を期したところです。今後は、被災された方々が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう支援を行うとともに、被災した道路や河川、農地等の早期復旧に全力で取り組んでまいります。
次に、7月28日に発生した熊本県を震源とする最大震度7の地震や、先月13日からの千葉県を中心とした大雨により、甚大な被害が発生しております。亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災されたみなさまにお見舞いを申し上げます。また、厳しい環境の下、被災者支援や生活再建、復旧・復興に尽力されている関係者のみなさまに深く敬意を表します。
次に、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。
7月15日、与党整備委員会において、小浜・京都ルートの桂川案にとりまとめられたことを受け、先月5日、北陸新幹線建設促進大会を開催しました。大会では、満場一致で決議を採択し、京都府・大阪府をはじめとする沿線の結束を改めて確認するとともに、地方負担の極小化など認可・着工に向けた課題を解決するよう、政府・与党に強く要請したところです。
その後、令和9年度概算要求では、敦賀・新大阪間の新規着工に要する経費について、地方の財政負担への配慮も含めた事項要求を行うことが示されました。県としては、引き続き、県議会のみなさまをはじめ関係者と一致団結して、年末の政府予算案に着工予算が確実に盛り込まれるよう、政府・与党に強く働きかけてまいります。
次に、経済・産業振興について申し上げます。
中東情勢の県内への影響については、燃料油や石油由来の原材料の供給に改善の動きがみられる一方で、一部では供給制限や仕入れ価格の高止まりが継続するなど、依然として厳しい状況にあります。県としては、4月に創設した中東情勢に対応する融資枠をさらに増額するなど、県内事業者等に対し必要な支援を行うとともに、引き続き、国の動向を注視しつつ、現場の実情やニーズに沿った対応を進めてまいります。
物価上昇が続く中、県民生活の向上と地域経済の持続的な成長を実現するためには、賃上げの流れを確かなものにしていくことが重要です。
先般、私から、福井地方最低賃金審議会会長および福井労働局長に対し、積極的な最低賃金の改定を要請するとともに、経済界に対し継続的な賃上げの実施を求めました。その結果、国の目安額を上回る59円の引上げとなり、過去最高となる時給1,112円が答申されたことは、人材確保や若者の県内定着、都市部との賃金格差の是正・縮小につながるものと考えております。
引き続き、価格転嫁の促進や生産性向上に向けた設備投資支援、DX・省力化の推進などを強力に進めるとともに、国の支援制度も活用しながら、中小企業が安心して賃上げに取り組める環境整備に努めてまいります。
産業分野におけるAXについては、先月26日、AI導入に意欲的な経営者や、AI関連スタートアップ、企業、専門家等が参画する「ふくい産業AXコンソーシアム」を設立し、来月5日には、最新のAI活用事例や今後の展開を共有するキックオフイベントを開催いたします。
今後は、本コンソーシアムを核として、最新の知見や先端技術の提供、先進事例の共有、AI導入に向けた実証支援などを行い、AIを活用した経営変革「AX」を推進し、県内企業の生産性向上や新たな価値創出、産業競争力の強化につなげてまいります。
次に、観光誘客について申し上げます。
恐竜博物館については、現在開催中の特別展「竜脚類~大地を揺るがした地上最大の生き物~」が大変好評で、過去最速となる開催47日目で20万人を突破しました。「恐竜といえば福井」とのブランド力をさらに高めるため、引き続き、戦略的な情報発信に取り組んでまいります。
観光誘客に向けたトップセールスにつきましては、先月23日に東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である仙台のスタジアムにおいて、また、同29日には恐竜博物館が特別協力した「ヨコハマ恐竜展
2026~恐竜の食卓大図鑑~」において、恐竜や食、自然など福井の魅力を直接PRしてまいりました。
11月には東京駅での出向宣伝に私も参加し、越前がにをはじめとする福井の秋・冬の魅力を伝え、さらなる誘客拡大につなげてまいります。
次に、こども・子育て応援について申し上げます。
先月21日、福祉と教育の連携強化に向けて、県と幼児教育や児童福祉等の有識者で構成する「こども・子育て応援ラウンドテーブル」を開催し、様々な家庭環境にある親子への伴走支援やこどもの居場所づくりに取り組む団体のみなさまと意見交換を行いました。
いただいた現場の声や専門的な知見を踏まえ、引き続き「ふく育推進チーム」において、一人ひとりのこどもや家庭に寄り添ったきめ細かな支援を具体化してまいります。
次に、高齢者福祉について申し上げます。
高齢者の暮らしの満足度向上に向け、先月20日、部局連携の「高齢者グッドライフプロジェクトチーム」を立ち上げました。高齢者のニーズや市町の課題を丁寧に把握しながら、買い物や通院時の移動支援、就労や地域活動など多様な形で社会とつながり続けられる機会の拡充など、幅広く施策を検討し、安心で便利な暮らしと、生きがいを持って活躍できる環境づくりに向けた取組みを進めてまいります。
県が支援する市町の全天候型遊び場整備については、先月4日に県内8か所目となる施設が越前市にオープンし、今週末には高浜町でも9か所目となる施設が開所します。また、10月からは、福井県児童科学館の魅力向上に向けた検討を開始いたします。引き続き、市町と連携しながら、こどもたちが安心して遊ぶことのできる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、農林水産業の振興について申し上げます。
米の価格については、国の需給見通しにおいて、主食用米の民間在庫量が過去最高水準となる中、令和8年産米のJA概算金は全国的に大きく下落しております。一方で、肥料や燃油などの生産資材価格は高止まりが続いており、米農家の経営は厳しい状況にあります。
このため、今月1日、JAグループとともに国に対し、政府備蓄米のさらなる買戻し等による適正な価格水準の早期回復や、米の持続的な生産が可能となる価格形成について強く求めたところです。引き続き、JAをはじめとする関係団体と連携しながら、生産者が安心して営農を継続できるよう後押ししてまいります。
令和8年産の「いちほまれ」については、今月中旬から開始する新米の販売にあわせて、県民のみなさまに贈答用としてご利用いただくキャンペーンを実施するとともに、私自身もあらゆる機会を通じて「いちほまれ」のおいしさを発信いたします。県民のみなさまに愛され、全国で選ばれるブランド米として、「いちほまれ」のさらなる認知度向上を図ってまいります。
次に、特定外来生物による被害防止について申し上げます。
先月18日に、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」が県内で初めて確認されました。サクラやウメなどの樹木に被害を与え、枯らしてしまうことから、農業や観光業などに深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
これを受け、県では、先月20日に、国、市町、関係機関と共に緊急対策会議を開催し、発見状況や生態等について情報共有を行うとともに、対策について協議を行いました。
初期段階での迅速な対応が極めて重要であることから、市町や関係機関と連携しながら分布調査や防除対策をすみやかに進め、特定外来生物による生態系への被害を防止するとともに、県内の果樹産地や桜並木をはじめとする美しい景観の保護に全力で取り組んでまいります。
次に、防災対策について申し上げます。
県の総合防災訓練を、11月21日に大野市において実施します。訓練では、車中泊避難者の健康管理への対応訓練をはじめ、観光客を想定した避難訓練や、防災道の駅への広域応援部隊参集訓練などを実施し、関係機関の連携強化と住民の防災意識の向上を図り、防災対策のさらなる充実・強化に努めてまいります。
次に、県内のインフラ整備について申し上げます。
福井市から坂井市の福井都市圏では、慢性的な道路渋滞や災害時の代替ルート確保などが課題となっております。抜本的な解決には、国道8号の機能強化、福井市南部地域におけるスマートインターチェンジの早期整備および福井外環状道路の計画具体化を一体的に推進することが不可欠です。このため、7月27日、酒井国土交通副大臣等に対し、これらの事業の必要性を訴え、支援を要請してまいりました。
また、先月4日には、4年間の工期延期が示された敦賀港鞠山南岸壁の延伸について、一日も早い完成を改めて国に求めるとともに、足羽川ダムの早期完成など、治水対策の強化についても要請したところです。
引き続き、道路交通の円滑化や災害に強いインフラ整備を着実に進めるため、県選出国会議員、県議会、関係市町などと連携しながら、国などに対し強く働きかけてまいります。
次に、教育について申し上げます。
本県の県立高校の将来像を示す「ふくい県立高校魅力向上プラン」の策定に向け、先月、県内5地域で「ふくい県立高校未来会議」を開催しました。中高生や教員など279人が参加し、「自分の将来や生き方を考える授業がある高校」や「地域や他校、異なる分野との人とつながり、学びを深められる高校」など、2040年の県立高校のあるべき姿について活発な意見交換が行われました。今後は、いただいたご意見を踏まえ、着実にプランの策定を進めてまいります。
最後に、原子力について申し上げます。
関西電力美浜発電所および高浜発電所第1期の乾式貯蔵施設については、国や事業者の取組みや考え方、立地町の意見、県議会での議論等を踏まえ、安全性の確保を最優先に、必要性や実効性等を総合的に勘案し、先月28日、事前了解することを判断しました。
その上で、長期保管や貯蔵容量拡大への懸念に対しては、搬入・搬出計画を県と立地町に提出して確認を受けることや、例外が認められるケースは県と立地町の理解を得た場合に限ることなど、関西電力が示した方針に基づく内容を事前了解の通知文書に明記し、県として、厳格に監視、指導していくこととしたところです。
県としては、引き続き、使用済燃料対策ロードマップの実行状況を適時・適切に確認し、事業者に必要な対応を求めるとともに、国に対して、責任を持って進捗管理を行い、事業者を厳しく指導・監督するよう求めてまいります。
立地地域の振興については、先月27日、立地地域の将来像に関する共創会議が開催されました。同会議においては、地域医療の充実に係る取組みなど、工程表に明記された事業の進捗が報告されたほか、新たに大型データセンターの誘致実現に向けた取組みが工程表に位置付けられるなど、一定の前進が見られたものと受け止めております。
一方で、立地地域の将来像の実現に向けては、なお取組みを加速させる必要があることから、私からは、避難道路整備のための政府一体となった財源の確保、北陸新幹線小浜・京都ルートの早期実現、大型データセンター誘致実現に向けた取組みの早期具体化などを求めたところです。
県としては、引き続き、国や事業者に対し、事業の着実な推進と取組みのさらなる具体化、必要な財源の十分な確保について求めてまいります。
以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は、全体として47億円、本年度予算額の累計は5,385億円となります。
その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。
なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。
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